民泊の種類とは?
旅館業法の例外として認められている「民泊」には、4つの種類があります。
1つ目は、国が地域限定で認めている、いわゆる「国家戦略特別区域」内にある、特区民泊と呼ばれるものです。
国家戦略特別区域に指定された自治体の内、民泊について条例を決めた自治体でのみ民泊の実施が可能です。
現在は、東京都大田区、大阪府は運用が開始されており、大阪市は平成28年10月から実施予定となっています。
ただ、実際に民泊として認められるためのハードルは高く、それほど簡単なものではありません。
たとえば、実際に民泊の運用が開始されている大田区の場合、主に、以下のようなハードルがあります。
1.最低宿泊日数が、6泊7日以上であること
2.一居室の床面積25平方メートル以上であること
3.近隣住民への事業計画の周知
4.建築基準法上「旅館・ホテル」が建築可能な用途地域であること
5.外国人を宿泊させる体制を整えていること
6.一部屋での申請も可能だが、浴室など必要な構造設備を専用として設置する必要がある
他にも細かな要件はありますが、上記のものがネックになり、申請を諦めてしまう方が多いのが現状です。
民泊認定を受けた後の営業実態は、いわゆる賃貸借契約に近いものになります。
2つ目は、農業漁業体験民宿業としての民泊です。
これは、農業や漁業を営む方が、体験型宿泊施設として観光客等を宿泊させるものです。農業や漁業従事者しか行なうことができませんので、対象は限られます。
3つ目は、年1回程度のイベント開催時に、自治体が例外的に実施する「イベント民泊」です。
最近の例では、福岡市で、アイドルグループのコンサート時に、市内の宿泊施設が足りなくなり、イベント民泊が一時的に認められました。
4つ目は、平成30年6月15日から施行される住宅宿泊事業法による民泊です。
あまり使用されていない別荘や、相続したけれども誰も居住していない空き家、転勤で不在の間の不動産、などの有効活用の方法として注目を集めています。
これら4つのうち、外国人観光客の増加に伴い、もっとも増加が見込まれるものは4つ目の住宅宿泊事業法による民泊です。
現状では、まだまだ規制が多く、簡単には認められませんが、規制緩和も検討されておりますので、今後の法令や条例の改正に注目していく必要があります。